満潮・干潮はいつ起こるか?それはなぜか?


この説明はとても困難です.まず,従来よく見る説明をしましょう.

地球を北極からみたときの図です.

満潮と干潮がもっとも大きくなるのは,
太陽-地球-月が一直線にならぶときと,
太陽-地球-月が一直線にならぶときです.

●まず「満潮と干潮が起こるしくみ」を理解するのに必要な用語の確認をします

※重力(じゅうりょく)… 物が物を引きつける力です.物が重いほど重力は強くはたらきます.物と物が近いほど重力は強くはたらきます.たとえば地球はまわりにある物を引きつけています.同じように月も地球を引きつけています.

https://kids.gakken.co.jp/jiten/4/40001490.html(参考:ニューワイド学習百科辞典,学研キッズネット)

※満潮(まんちょう)・干潮(かんちょう)… 時間によって海の水位が上がり,高くなった状態が満潮です.逆に低くなった状態が干潮です.海の水全体の量が本当に増えているわけではなく,どこかで水位が上がれば,地球のどこかで水位が下がっています.

https://kids.gakken.co.jp/jiten/7/70004050.html(参考:ニューワイド学習百科辞典,学研キッズネット)

https://kids.gakken.co.jp/jiten/7/70004050.html(参考:ニューワイド学習百科辞典,学研キッズネット)

※遠心力(えんしんりょく)… 回転している物が回転している中心から遠ざかろうとする力.けん玉をふり回すと,球が外に飛んでいこうとするのは玉に遠心力がはたらくからです.

https://kids.gakken.co.jp/jiten/1/10019970.html(参考:ニューワイド学習百科辞典,学研キッズネット)

●では具体的に満潮と干潮が起こる理由を考えていきます

※「①月」,「②月側の海水」,「③地球」,「④月と反対の海水」の4つを取り出して,「月からはたらく重力」「月からはたらく遠心力」という見方で考えます.

※月からみたときの遠心力は,月から離れるほど大きくなります.

※月からみたときの重力は,月に近いほど重力は大きくなります.

 

●「月側の海水」がもち上がる(満潮になる)理由

※「②月側の海水」がもちあがる(満潮になる)のは,「②月側の海水」が月に落ちようとする力が大きくなり,「月側の海水」が月に引かれるからです.

●「月の反対の海水」も持ち上がる(満潮になる)理由

※「②月側の海水」が月に落ちようとする力が「大きい」とします.すると,「③地球」が月に落ちようとする力は「中くらい」で,「④月と反対の海水」が月に落ちようとする力は「小さく」なります.

※すると「③地球」が「④月の反対の海水」から離れようとします.そのため「④月の反対の海水」が置いて行かれて,「④月の反対の海水」がもりあがることになります.

※「④月と反対の海水」がもりあがるのは,「④月と反対の海水」に大きな遠心力がはたらいていることも原因です.

●太陽の影響も考える

※この関係は,月と地球だけでなく,太陽と地球の間にも成り立ちます.(太陽の重力による満潮・干潮は,月よりも弱くなります)

※太陽-月-地球と並ぶ時

1.月だけでもこの状態です

2.太陽だけでもこの状態です

3.月の影響と太陽の影響を足して,こうなります.

※太陽-地球-月と並ぶ時

1.月だけでもこの状態です

2.太陽だけでもこの状態です

3.月の影響と太陽の影響を足して,やっぱりこうなります.

というわけで,

満潮・干潮はいつ起こるか?

満潮と干潮がもっとも大きくなるのは,
太陽-地球-月が一直線にならぶときと,
太陽-地球-月が一直線にならぶとき

である.

と説明できます.

また,満潮正午ごろと真夜中ごろに起こり,干潮明け方ごろと夕方ごろに起こる.

と説明できます.

それはなぜか?

海水や地球にはたらく遠心力と重力で説明できる.

といえます.

ただし,この説明には続きがあり,現実にはこれまで説明したような海水の配置にはなりません

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