次のような回路に流れる電流を求めるとき,電流の「流れにくさ」という考え方が必要です.
では「流れにくさ」の考え方をみていきましょう.
ここでも,まず基本の回路を考えましょう.
この状態で流れる電流の大きさを1とします.電流が1流れているときの豆電球の「流れにくさ」を1とします.
【豆電球2個の直列回路】
「流れにくさ」が2倍になると,流れる電流はその逆の数(逆数)の$$\frac {1}{2}$$倍になります.
「流れにくさ」が$$\frac {1}{2}$$倍になると,流れる電流はその逆の数(逆数)の2倍になります.
次の回路では,
【基本の回路】にくらべて,回路を流れる電流が$$\frac {1}{2}$$倍になっているので,2つの豆電球の「流れにくさ」が2倍になっていると考えます.
【基本の回路】に流れる電流の大きさが1で,「流れにくさ」が1です.一方,この回路全体を流れる電流は$$\frac {1}{2}$$なので,電流の「流れにくさ」は2倍になっていると考えることができます.
あるいは,回路全体を流れる電流が$$\frac {1}{2}$$なので,「流れにくさ」はその逆数の「2」と考えてもよいでしょう.
【豆電球2個の並列回路】
次の回路の場合,
【基本の回路】にくらべて,回路を流れる電流が2倍になっているので,「流れにくさ」は$$\frac {1}{2}$$になっています.
あるいは,この回路の「流れにくさ」は,電流の逆数の$$\frac {1}{2}$$倍にであると考えます.
<例題①>次のそれぞれの豆電球の明るさは【基本の回路】とくらべてどうなりますか?
豆電球の明るさを求めるために,電流を求める必要があります.ただし,「流れにくさ」を考えないと,電流は出せません.
<例題①の考え方>
流れにくさを2つに分解します.
つまり,「流れにくさ」の回路2つぶんと考えます.
すると次のように「流れにくさ」の足し算で考えることができます.
この段階では,電流を考えずに,まず「流れにくさ」を足し算します.
電流と「流れにくさ」をまとめると,次のようになります.
<例題②>次の回路でも「流れにくさ」を考えましょう.
まず電流は次のようになっていましたね.(こちらを参照)
並列回路の電流は足し算で求めますが,並列回路の電流の「流れにくさ」は足し算できません.回路全体の電流$$\frac {3}{2}$$です.
「流れにくさ」は,この逆数なので$$\frac {2}{3}$$です.
次のようになります.
<基本はこちら>
<第2回はこちら>