今度は,これまで考えてきたいくつかの豆電球の並列・直列回路ではなく,電池の並列・直列回路を考えます.
毎回ですが,まず基本の回路に流れる電流を1とします.
次の回路では,1つの電池の電流が豆電球に流れこみ,もう1つの電池からも電流が豆電球に流れこみます → これは電池の並列回路です.
この回路の電流は次のように考えます.
それぞれの電池から$$\frac {1}{2}$$ずつの電流が流れ,並列回路の出口で$$\frac {1}{2}+\frac {1}{2}=1$$の電流となります.
回路に流れる電流の大きさは1のままです.つまりそれぞれの電池は$$\frac {1}{2}$$の力しか使っていません.
(すると2倍長持ちすることになります)
次の回路も電池の並列回路です.
この回路の電流は次のように考えます.1つの電池から豆電球に電流が流れ,もう1つの電池からも豆電球に電流が流れこむと考えることができます.
それぞれの電池から$$\frac {1}{2}$$ずつの電流が流れ,並列回路の出口で$$\frac {1}{2}+\frac {1}{2}=1$$の電流となります.
次の回路も電池の並列回路です.
この回路は次のように考えます.この回路では,1つの電池の電流が豆電球に流れこみ,もう1つの電池からも電流が豆電球に流れこみます → これは電池の並列回路です.
電流は次のようになります.
それぞれの電池から$$\frac {1}{2}$$ずつの電流が流れ,並列回路の出口で$$\frac {1}{2}+\frac {1}{2}=1$$の電流となります.
次の回路も同じ意味です.
この回路では,1つの電池の電流が豆電球に流れこみ,もう1つの電池からも電流が豆電球に流れこみます → これは電池の並列回路です.
電流は次のようになります.
それぞれの電池から$$\frac {1}{2}$$ずつの電流が流れ,並列回路の出口で$$\frac {1}{2}+\frac {1}{2}=1$$の電流となります.
次の回路も同じ意味です.
この回路では,1つの電池の電流が豆電球に流れこみ,もう1つの電池からも電流が豆電球に流れこみます → これは電池の並列回路です.
つまり次の回路と同じ意味です.
※3つの電池が並列になっていれば,それぞれの電池の電流は$$\frac {1}{3}$$になり,3つの回路が合流すると,1の電流が流れます.
次の回路は電池の直列回路です.
この回路では,次のように1つの電池の電流が必ず次の電池に流れこみます → これは電池の直列回路です.
電流は
1+1=2
になります.つまり2個の電池の直列回路では回路に流れる電流の大きさが2倍になります.
(どちらの電池も1つづの力を使っているので,電池がもつ時間は変わりません.)
※次のように,3個の電池の直列回路であれば電流の大きさは3倍に,4個の電池の直列回路であれば,電流は4倍になります.
※電池2つの並列回路の場合,なぜ電池に流れる電流が$$\frac {1}{2}$$なのか.そして,電池2つの直列回路の場合,なぜ電池に流れる電流が
2
なのか.
両方とも同じ電池2つなのに…というのはよくある質問です.そして,これには今の段階で納得できる説明をすることができません.
中学校の学習であるオームの法則を使えば「規則」の説明はできますが,それでも「なぜ?」までは説明できません.それには高校の物理の知識が必要です.
※なお,回路図記号の電源のマークを複数使って電池を表現するのは小学校までです.中学校以上では,電池の並列回路や直列回路は扱わず,どのような電源であっても1つの電源のマークで示します.
<基本はこちら>
<第2回はこちら>
<第3回はこちら>
<第4回はこちら>
<第5回はこちら>